植物・キノコの中には毒を持つものが存在しており、その中には非常に身近に存在するものもあるので知らずに食べると、とんでもないことになる場合も...
そこで今回は『毒を持つ植物・キノコ特集』と題して紹介していきます♪( ´θ`)ノ
『この植物・キノコは食べると危険だ』という知識があれば事故を未然に防ぐことができるので知っておいて損はないでしょう。
また予備知識として『致死量の決め方』や『毒のランキング』なんかも紹介していきますよ〜!
それでは早速、見ていきましょう_φ( ̄ー ̄ )
Contents
致死量はどうやって決めるの?
毒には強毒と弱毒があり、強い毒は少量で命を奪うのに対して弱い毒はたくさん飲まないと死に至ることはありません(⊙_⊙')
致死量とは死に至る最小量のことをいいますが、致死量には色々あり『毒を飲む場合』と『注射する場合』では致死量は異なり、毒を飲んだ場合の致死量を経口致死量といいます👀
例えばサスペンスや名探偵コナンでお馴染みの!?
青酸カリ(シアン化カリウム)の経口致死量は150〜300mgと言われているのですが、このような量をどうやって計ったのか?
これは青酸カリによる事故の例の積み重ねによって算出されてきたのですが、毒に対する感受性・耐性は個人差があるため事故の例だけでは正確性に欠けるわけです。
『どうにか化学的な測定法はないものか?』
ということから考案されたのが半数致死量LD50という指標なんです_φ( ̄ー ̄ )
LD50って何!?
これは多くの検体(マウス・ハムスターなど)を用意し、全検体に少しずつ毒を飲ませ、その量を徐々に増やしていきます。
すると量が増えるにつれて死○でしまう検体が増え、ある量で全検体の50%が死○ことになり、この量のことを『LD50』と言います👀
またLD50は体重1kgあたりで表示されるため、体重70kgの人はLD50を70倍にする必要がありますが、L D50は『これだけの量を飲むと死に至る確率が50%である』ことを示す数値で『これだけ飲んだら絶対に死○』という量ではありません(⊙_⊙')
しかし、この量なら大丈夫という量でもないので、当然ですが『毒物』と知って飲むことは危険極まりないので決して飲まないようにしましょう_φ( ̄ー ̄ )
毒の強さランキング!
順位 | 名称 | 致死量LD50(mg/kg) | 由来 |
---|---|---|---|
1 | ボツリヌストキシン | 0.0003 | 微生物 |
2 | 破傷風トキシン (テタヌストキシン) | 0.002 | 微生物 |
3 | リシン | 0.1 | 植物(トウゴマ) |
4 | バリトキシン | 0.5 | 微生物 |
5 | バトラコトキシン | 2 | ヤドクガエル |
6 | テドロドトキシン (TTX) | 10 | フグ/微生物 |
7 | VX | 15 | 化学合成 |
8 | ダイオキシン | 22 | 化学合成 |
9 | d-ツボクラリン (d-Tc) | 30 | 植物(クラーレ) |
10 | ウミヘビ毒 | 100 | ウミヘビ |
11 | アコニチン | 120 | 植物(トリカブト) |
12 | アマニチン | 400 | 菌類(キノコ) |
13 | サリン | 420 | 化学合成 |
14 | コブラ毒 | 500 | コブラ |
15 | フィゾスチグミン | 640 | 植物(カラバム豆) |
16 | ストリキニーネ | 960 | 植物(馬銭子) |
17 | ヒ素 | 1,430 | 鉱物 |
18 | ニコチン | 7,000 | 植物(タバコ) |
19 | 青酸カリ | 10,000 | 化学合成 |
20 | ショウコウ | 29,000 | 鉱物 |
21 | 酢酸タリウム | 35,200 | 鉱物 |
この表は毒の強さランキングで重さの単位はμg (マイクログラム)でこれは1gの100万分の1となっています✅
最強の毒であるボツリヌストキシンはボツリヌス菌の出す毒で、2位のテタヌストキシンは破傷風菌の出す毒で、共に微生物によって作られる毒です(⊙_⊙')
その次に強いリシンはヒマシ油を取る植物、トウゴマの種子に含まれる毒で花をつける植物の作る毒としては最強と言われています。
- パリトキシン
- テトロドトキシン
は魚に含まれていますが、共に実際の生産者は魚ではなく、藻類やプランクトンなどの微生物によって作られています。
- VX
- サリン
- ダイオキシン
は自然界には存在せず、人間が作り出した毒となっています(青酸カリも合成毒)
僕は喫煙者なので何気に気になるのですが青酸カリよりもニコチンの方がLD50が少ないんですw
つまり!!!
ニコチンの方が強毒
なのです_:(´ཀ`」 ∠):
『昔は紙巻きタバコ3本で大人1人を殺○る』と言われたほどですが、現在のタバコはニコチンやタールが抑えられているのですぐにどうこうなるわけではありませんが、それでもタバコは毒物であることは変わりないでしょう👀(それでも辞めませんがw )
酢酸タリウムは割と最近のニュースでもよく見かけるようになった毒ですが、たびたび殺○事件にも登場しますね👀
タリウムは1861年に発見された新しい金属元素で、昔のヨーロッパでは暗殺によく使われていました(理由はバレにくいため)
というわけでここまでは毒の予備知識編で序章ですw
次項から毒を持つ植物・キノコを紹介していきますよ〜_φ( ̄ー ̄ )
昭和に起きた保険金殺○事件に使用された『トリカブト』
昭和に起きた事件『トリカブト保険金殺◯事件』で使用されたことでも有名なトリカブト(フグ毒であるテドロドトキシンも使用された)は、その形が昔の帽子である烏帽子(えぼし)と兜に似ていて、鳥の兜から『トリカブト』と名付けられたようです(⊙_⊙')
トリカブトの根はショウガのような塊根(かいこん)で、毎年、小さな塊がつき成長していき附子(ぶし、ぶす)とも言うのですが!?
トリカブト中毒になると顔の表情がなくなり、不細工に見えることから、不美人のことを『ブス』と呼ぶようになったという説がありますw
トリカブトの毒について
トリカブトは園芸用としても売られていますが、毒があるので注意して扱う必要があります(⊙_⊙')
トリカブトは花粉から根までの全ての部分に毒があり、毒はアコニチンという分子で、摂取してしまうと20分程で唾液が出るなどの症状が現れ、その後は血液低下、呼吸麻痺を起こしてしまいます。
また致死量以上を摂取した場合は2時間で死に至ってしまい、しかも治療薬は存在しないのでマジで気をつけなければならないんです_:(´ཀ`」 ∠):
ちなみにですが
- ニリンソウ
- モミジガサ
はトリカブトに似た山菜なのですが、ニリンソウは食べ頃である春になると二輪の白い花が咲きます。
なので!!!
花のついてないニリンソウは食べない方が良いでしょう(トリカブトの可能性があるため)
世界5大毒のリシンを作る植物『トウゴマ』
- ボツリヌストキシン
- テタヌストキシン
- ジフテリアトキシン
- グラミシジン
- リシン
は世界五大毒と言われてますがリシン以外は全て細菌によって作り出されますが、リシンは植物の毒で、これは『トウゴマ』という植物の種子から取れる毒なんです👀
トウゴマの種子は重量の50〜60%が油で、これを絞ったものがヒマシ油。
ヒマシ油は世界で年間100万トンも生産されていて、下剤などの医療品用から機械油まで多くの用途に使われています。
が!!!
この種子にはリシンが含まれているので『ヒマシ油は大丈夫なの?』と心配になりますよね!?
結論から言えば『多分大丈夫ですw』
リシンの毒はタンパク質で、ヒマシ油を取る時には種子を加熱するので、熱によって毒性を失っているのでほぼ大丈夫なのですが、なかには加熱が不十分でないものが混じっている可能性も0ではないので『多分』という言い方になってしまいます👀
また妊婦はヒマシ油を使用しないことが望ましいとされています(子宮収縮を誘発して流早産の危険性があるため)
リシンの毒について
画像:クリスマスローズ専門店『ふみ屋』HPより
リシンはヌンチャクのように2個の桿状系の部分がヒモでつながったような形をしており、これが細胞に出会うと!?
桿状体の片方が細胞膜に留まり、もう片方が細胞内に入り込んでRNAを破壊して、細胞のタンパク質合成を阻止してしまいます。
その結果、リシン1分子が細胞1個を完全に破壊するので、猛毒と言えます。
また毒性が強いため暗殺にも使われていました_φ( ̄ー ̄ )
ソクラテスが飲んだ『ドクニンジン』
古代ギリシャの哲学者・ソクラテスの薬○刑に使用されたのが『ドクニンジン』なんです(⊙_⊙')
ソクラテスの弟子・プラトンが書いた『バイドン』によると、若者を邪教に導いたという冤罪で死刑宣告を受けたソクラテスの処刑法はドクニンジンの汁を飲むというもの。
ソクラテスは弟子たちが見守る中、カウチ(寝椅子)に横になって渡されたドクニンジンを飲み干す。
その後も弟子たちと会話を続けるが次第に足の痺れが現れ、やがて痺れは膝まで来て、腰に痺れが出たところで口数が少なくなり、そのまま亡くなったとされています👀
(実際にはドクニンジンの汁にア○ンを混ぜたものだったようです)
ドクニンジンは高さ1.5~2.5mほどに成長する植物で、白くて小さな花が密集して咲くのが特徴✅
もともとは日本にはなかったのですが、外来種として北海道に自生しています👀
また茎を潰すとカビのような嫌な匂いがするのも特徴ですw
ドクニンジンの毒について
ドクニンジンの毒成分は『コニイン』と言い、ヒトに対する致死量は60〜150mgなので青酸カリよりも強い毒なんです(*´Д`*)
コニインは消化管から吸収されやすく、症状は急速に起こるため、中毒を起こしてから30分〜1時間で死に至ると言われています。
またコニインの分子構造はニコチンとよく似ていて、作用もニコチンとよく似ています。
そのため、摂取すると!?
中枢神経を興奮させ、その後、中枢神経を抑制。
さらに!!!
ソクラテスの場合と同じように運動神経の抹消から麻痺が進んでいき、最終的には呼吸障害によって死に至るのです_:(´ཀ`」 ∠):
『ヒガンバナ(彼岸花)』がお墓によく咲いている理由!
ヒガンバナは別名『曼珠沙華(まんじゅしゃげ)』という非常に高貴な名前があるのですが!?
その一方で
- 幽霊花
- 死人花
というような名前もあります👀
ヒガンバナは種子で増えるのではなく、球根で増えるので人が意図的に植えないと繁殖しないわけです(⊙_⊙')
ヒガンバナはお墓によく咲いているイメージがありますが、実は毒のあるヒガンバナの球根を埋めることで、モグラ避けにしているんです。
(田んぼのあぜ道にヒガンバナがよく咲いているのも同様の理由)
またヒガンバナは江戸時代では救荒作物(飢饉の際に飢えを凌ぐために食べる)でした。
球根に毒があるヒガンバナですが、この毒は水溶性のため、しっかり水洗いすれば食べても問題ありません_φ( ̄ー ̄ )
ヒガンバナの毒について
ヒガンバナの毒素はリコリンで分子構造に窒素原子を含んでおり、このようなものを一般的に『アルカロイド』といいます👀
リコリンの経口致死量は30mg/kgで体重60kgの人なら2g弱なのでそれほど強い毒ではありません💡
また生の球根に含まれる量は0.5mgなので2gを摂ろうとすると相当な量の球根を食べないといけないので、命に関わるようなことにはならないと思います_φ( ̄ー ̄ )
ジャガイモとワラビにも毒が!
ジャガイモやワラビは身近な食べ物ですが実は有毒植物です👀
ジャガイモジャガイモはイモ本体に毒はありませんが、イモの芽が有毒。
そのため芽の部分を切り取ってから食べる必要がありますが、若い小さなジャガイモの場合はイモ自体にもかなりの量の毒が含まれているので注意しましょう(⊙_⊙')
ジャガイモの毒はソラニンで成人で200〜400mgを摂取すると中毒になると言われていて、主な症状は下痢や嘔吐などですが、大量に摂取した場合は昏睡状態になり最悪の場合は死に至ることも。
ワラビにはプタキロサイドという毒が含まれています。
しかも!!!
放牧されている牛などがワラビを食べると血尿を出して倒れてしまいます_:(´ཀ`」 ∠):
またプロキロサイドには強力な発がん性も認められているので非常にデンジャラスな植物ですが!?
『あく抜き』さえすればワラビを食べても平気なんです🤩
通常、山から採って来たワラビをそのままムシャムシャ食べることはなく、必ず灰や重曹(炭酸水素ナトリウム)を溶かした水に一晩漬けてから食べます。
これらの水はアルカリ性のためプロキロサイドが加水分解されて無毒になるのでワラビを問題なく食べれるわけです〆(・∀・@)
見た目は清楚だけど有毒!?スイセン・イヌサフラン・スズラン
見た目はこんなに清楚なのに毒がある植物をここでは紹介しちゃいます_:(´ཀ`」 ∠):
スイセンスイセンは植物体全体にヒガンバナの毒成分と同じリコリンを含みます。
そのためニラと間違えてスイセンの葉を食べてしまい食中毒になるケースもありますが、毒性はそれほど強くなく、しかも嘔吐性があるので有毒物質は吐き出されることが多いので、重症化することはほとんどありません。
植物体全体にコルヒチンという毒があり、誤って摂取すると皮膚の知覚が麻痺し、最悪の場合は呼吸麻痺で死に至ります(⊙_⊙')
コルヒチンのLD50は0.6mgで毒性が強いため、これまでに何件もの事故が起きています。
ちなみにですがコルヒチンは植物の細胞分裂に影響を与え、染色体を倍数体にする作用があるため、品種改良に使われたり、また痛風の治療薬としても使われています。
画像:HORTI
THE清楚のイメージのスズラン(鈴蘭)ですが、こちらも植物体全体にコンバラトキシンという毒があり、摂取すると
- 嘔吐
- めまい
- 心不全
- 心臓麻痺
などの症状を起こし、最悪の場合は死に至ります_:(´ཀ`」 ∠):
実際にスズランを生けていた花瓶の水を飲んだ子供が亡くなるという事故も起きているので注意しましょう⚠️
また花の匂いを嗅いだだけでも『めまいを感じる』ことがあるようなので、心臓に疾患がある方は気をつけましょう_φ( ̄ー ̄ )