病院では日々、多くの人が亡くなっていますがそのせいか病院では霊現象を体験した医師や看護師が多くいるようです。
あるテレビ番組で一線で働く医師・看護師にアンケートしたところ医師の半数・看護師の約7割が『病院内で霊現象の体験をした』と答えたのです(⊙_⊙')
今回は病院で実際に心霊体験した看護師の方々の話を10話ほど紹介していきたいと思います!
それでは早速始めましょう...
(話の中に出てくる人物名は全て仮名です)
Contents
死人の出る病室をのぞく老人
『 病院で働いている人なら幽霊を見たり奇妙な出来事の一つや二つは間違いなく体験していますよ。 病院って、そういうところです。 私のいる病院は 看護師さんは全部で50人ほどいるのですが、 そのほとんどの人は霊的なことを体験しているはずです』
埼玉県K市の病院に勤務する看護士の津野さんと木村さんはこう言い切る。
この病院は古くから霊現象が起こる病院として有名でその中でも最も強烈なのが『全身黒ずくめの老人の幽霊』の話。
この老人の幽霊は病院関係者や入院患者から『黒い死神』と呼ばれ恐れられている。
老人は身長150センチほどの小柄で痩せ細った体をしていて少し猫背でいつもアゴを前に突き出す格好で立っているという。
また着ているものは黒の作務衣のようなもので体は灰色...
第一話 老人が黒い死神と恐れられる理由は...
この老人が『黒い死神』と恐れられる理由は病室前で目撃されるとその病室の患者の誰かが必ず数日中に死亡するから。
津野さんは今までに黒い老人を二度見ていた...
最初は勤めてから一年ほど経った一月中で『 お見舞いの人は午後8時になると帰ることになっているのに、その日は何人か残っていて不調から注意をしてくるように言われました。ですから、午後8時10分か15分ごろだったと思います。』
『 当時は4階の放射線科勤務でした。ひと回りして戻ってくると413号室のドアを覗き込んでいるお年寄りがいました。 私は今頃になって見舞いにきたのかしらと思って近づくと声をかけました。』
『 すると、その人は私に気づかないようなフリをして 黙ってエレベーターのある方へ歩き去りました。 その後ろ姿を見た途端、私はその人が普通の人間じゃないってわかりました。 だって、歩いている足が床から10センチほど浮いていたからです。』
『 腰から下の力が抜けてしまい声も出せないくらい驚いていたので、目だけで後ろ姿を追いました。老人はエレベーターの前を過ぎると、そのまま真っ直ぐに進んで突き当たりのドアのところでフッと消えました。』
『 我に帰った私は、大急ぎでナースルームに入ると婦長たちに見たことを話しました。 ところが婦長たちはお年寄りが 消えたことよりどの病室を覗いていたのかと訊いたのです。 長くいる人たちはその幽霊のことを知っていたんです』
津野さんは再び黒い老人を目撃する!
次に見たのは 平成6年2月10日。
この時、津野さんと 木村さんは循環器科の勤務だった。
608号室に入院していた患者さんの容体が悪化したため、津野さんたちは処置のために走り回っていたが患者の容体が一応安定したので津野さんは611号室で仕事をしていた。
その時だった!!
木村さんが青い顔をして病室に入ってくると、津野さんの手を引いて病室の外に連れ出した。
そして608号室の方を見るように合図した。
そこには全身黒ずくめの 老人が立っていた...
あの『黒い死神』と呼ばれる老人が608号室のドアを覗き込んでいた。
この時、津野さんは 反射的に大声を上げて608号室に向かって走っている。
『”608号室の 患者さんが死んでしまう”と思った瞬間、死神を追い払わなきゃと考えたのです。』と。
津野さんが近づいていくと老人の姿は病室に吸い込まれるようにフッと消えた。
608号室に入ってみると老人の姿はなかった。
木村さんは津野さんが走っていくのを茫然と見ていた。
『津野さんは黒い老人が病室に吸い込まれるように消えたと話していますが 私の見たのはちがいます。彼女が近づいていくとスウーッという感じで廊下の奥の方に移動して消えました』
津野さんが 病室に入るのを見た木村さんは、すぐ後を追って608号室に入った。
一時安定していた患者の容体が急変。
懸命に手当てをしたが患者さんは午前11時28分に亡くなった...
第2話 夜中の2時にトイレに行く老婆
広島県のF病院で看護婦長をしていた前田さんが体験した話。
『 私が不調になった年の6月のことです。患者さんの中に工藤さん(当時92歳)というお婆さんがいらっしゃいました。10年以上も入院していらして 病院の主のような方でした。看護師たちは”ツネさん”と呼んでまるで自分の身内のように接していました』
ツネさんは模範的な患者だった。
高齢で具合が悪いにもかかわらず、医師や看護師たちの言うことをしっかりと守った。規則正しい生活を送り周りの患者と揉め事を起こすことなど1度もなかった。
朝は6時に起床、6時10分に洗顔、7時に朝食、8時に自分のベッドと周辺の掃除、8時30分の会心の時はベッドに正座をして待っていた。
また、トイレに行くのも決まった時刻だった。
1日に5回、朝の6時20分、11時、午後は3時10分、8時、そして夜中の2時に必ず起きて用を足していた。
鳴るはずのないブザーが...
『いつもニコニコしていて、 本当に手のかからない方でした。でも、とても寂しい境遇の人でした。家族が誰もいなかったのです。』
『 ご主人はツネさんが 入院するずっと前に亡くなっていました。二人いた息子さんも両方とも若いうちに病死をしていました』
『 ですから、お見舞いに来る人は遠い親戚と言う人が年に1〜2回ある程度でした。 ツネさんは私たちに” ここが私の家みたいなものなの、死ぬまでお願いしますね”とよく話していました。』
『 そんなツネさんが6月23日の夜に亡くなりました。』
『 その日、私と亀井さんという若い看護師が当直でした。 とても蒸し暑い夜でした。仕事が一段落した午前1時40分頃、亀井さんが冷たいものが飲みたいと言って1階の自動販売機に買いに行きました。 それから5〜6分後でした。 緊急用のブザーが鳴りました。ツネさんのベッドからでした』
亀井さんはツネさんの 病室へ急行した。
しかし、奇妙なことにツネさんはすでに息を引き取っていた。
苦しんだ様子はなく、まるで私を覚悟していたかのように寝間着も新しいものに着替えられていた。眠るような、穏やかな死に顔だった。
『死因は喉にタンを詰まらせた呼吸困難です。 苦しくてもがくはずなのにツネさんの様子からはそれらしいものが感じられませんでした。』
『 それにブザーが鳴ってすぐに行ってるのに既に亡くなっていました。一体誰が ブザーを押したのか不思議でした』
医師もやってきて いろいろ手当てをしたがツネさんは二度と息を吹き返すことはなかった...
死亡時刻は午前1時42分と記入された。
トイレに行けるハズのないツネさんが...
亀井さんはツネさんの遺体 霊安室へ運んだ。 ナースルームに戻ったのは午前3時を少し過ぎていた。
すると違う病棟の看護師がやってきて亀井さんに声をかけた。
『ツネさん相変わらずね。まるで時計で計ったみたいにトイレに行くのね。』
『ツネさん!?いつ会ったの?』
亀井さんは声を上ずらせて訊き返した。
『 ついさっきの2時よ。 私が歩いていたらツネさんがトイレに入るのが見えたので声をかけたらツネさんも 頭を下げて挨拶したわよ。』
第3話 血みどろの男がトイレの前に立っている
"コンコン、コンコン”
トイレのドアを叩く音が深夜のトイレに響いた。
”どうしよう...大声で助けを呼ぼうか...どうしよう...神様"
トイレの中にいた看護師の岩上恭子さんは 身動きもせずにじっと恐怖に耐えていた。
"コンコン、コンコン”
また叩く音がする。
息を止めてじっと恐怖に耐えるしかなかった。
心臓の鼓動が耳まで聞こえる。
『なんだっ、いるじゃないか!!!』
怒鳴るような大声がトイレの上から聞こえた。
岩上さんが気づいたのはトイレの中だった。
夜が明けドアの隙間から 明るい光が差し込んでいた。
岩上さんは気を失う前のことを 思い出して身震いした。
立ち上がるとドアを開けて外に出た。
”ギャー!!”
叫び声を上げて再び気を失って倒れた。
目を開けると同時に飛び起きた。
ナース室隣の診察室でそこのベッドの上に寝かされていることを理解し『助かった』そう思った途端に涙が止まらなくなっていた。
そばにいた同僚の看護師たちは岩上さんを同情の目で見ている。
それに気づいた岩上さんはベッドから降りると鏡を覗いた。
心配した通りだった。左目の上から下にかけて何針も縫った後があった。
岩上さんは再び大粒の涙を流した。
これは自分に対する悔しさと傷を負ってしまった悲しさのためだった。
茨城県にあるT病院は何年も前からトイレで怪奇現象が起こっていた。
それは 深夜に1人でトイレに入るとノックの音がしてドアを開けると顔面血みどろの男が立っているというもの。
この血みどろの男は以前、このトイレで自殺をした男の亡霊だと言われており男はどういうわけか持ち出したメスで自分の顔を切り裂き、最後に頸動脈にメスを突き刺して死んでいた。
その事件以来、この男の亡霊が現れるようになったという。
またこの亡霊を見たものは必ず顔に怪我をしている。
そんなことが2回起こっていたため、病院では夜にこのトイレの使用を禁じていた。
ところが気の強い岩上さんは同僚が止めるのも聞かず、 深夜にトイレに入って行き血みどろ男に遭遇してしまった...
第4話 地下へ誘う医師の幽霊
『 地下へ行きたいのですが、いいですか...』
男のしゃべる声が遠くで聞こえている。
久保田誠司さんは ぼんやりした意識の中で目を覚ました。
『ここはどこだ!?』
目を開けると見たこともない広い部屋だった。
淡いブルーの天井と壁、壁の下半分もブルーのタイル張り。
ドアが2つあるだけで他には何もない不思議な部屋だった。
自分がどこにいるのか分からなかった。
天井の2列に並んだ蛍光灯がやけに眩しく感じられる。
”誰の声だったのか..."
体を動かそうとしたがまるで動かない。
目を動かすと頭の上に緑色の服を着た人が見える。
帽子とマスクをしている。それも緑色だ。
『誰ですか?』
声を出して訊こうとしたが声が出ない。
『 どうしたんだ、ここはどこなんだ...』
考えようとしても頭の中がボーッとしていて、状況が飲み込めなかった。
『 地下へ行きますよ、いいですね』
枕元から男性の声がした。
目を大きく見開いて上を見ようとした。
しかし男性の姿が見えない。
蛍光灯の明かりが目一杯に広がってきた。
”まぶしいな”と思って目を閉じた。
久保田さんが聞いた声の正体は...
『 久保田さん。久保田誠司さ〜ん』
女性の大きな呼び声がした。
目を覚ますとそこは病室のベッドの上だった。
白衣の看護師さんが顔を覗き込むようにしている。
その横に久保田さんの妻と両親が心配そうな顔をして立っていた。
『 久保田さん、気がつきましたか?もう大丈夫ですよ。手術は無事に終りましたからね。もう心配ありませんよ』
看護師さんは励ますように大声で話しながらカルテに何かを記入していた。
意識がはっきりしてくると腹部に痛みが走った。
『 そうだ、俺は胃の摘出手術を受けたんだ。そして成功したんだ』
そう考えながら再び目を閉じて眠った。
久保田さんがはっきりと意識を取り戻したのは次の日の夕方でそれまでに何度か目を開けたらしいが高田さん自身は覚えていなかった。
意識が正常になると青い部屋と緑の服の男のことが気になったので検温に来た看護師さんにそのことを尋ねた。
すると意外な答えが返ってきた。
『 良かったですね! 久保田さんの見たのはNという若い先生の霊だと思いますよ。 この先生は6年前に手術をしている最中に心臓麻痺で亡くなっているんです。』
『 そのせいばかりとも言えないんですが、その時の患者さんもなくなってしまったんです。N先生は 真面目で立派な先生でした。そんな先生でしたから患者さんを死なせてしまったことが心残りだったのだと思います。』
『 それ以来、手術室の 隣の部屋に霊となって現れるようになりました。 そして危篤状態の患者さんに声をかけてあの世へ行かないように力を貸しているんです。この病院では神田さんと同じ経験をした患者さんが何人もいるんです。』
『 N先生の霊を見た 患者さんは皆さん助かってますから久保田さんも元気になりますよ』
久保田さんは健康になって退院している。
しかし『 地下へ行きますよ、いいですね?』という言葉が気になっていた。
なぜなら久保田さんの入院した千葉県のE総合病院は2階に手術室があり、地下には霊安室があったのだから...
第5話 地面から伸びる無数の黒い腕
『 霊が見えない人は本当に幸せだと思うわ...。 こんな光景を見なくて済むんですものね...』
病院の屋上から下を見ながら小山さんは車椅子を押していた准看護師の田中陽子さんに話しかけた。
『えっ!?小山さんは霊が見えるんですか?』
『 私は子供の頃から霊が見えるのよ。 ここから下を見ると病院の周りにいっぱい霊が見えるわ...。気味が悪いわ...もう戻りましょう。ねえ、 田中さん。この病院でこれまで飛び降り自殺した人...いない?』
田中さんはショックを受けていた。田中さんの勤務している東京のK 病院では何件もの飛び降り自殺があったから。
『小山さんという患者さんは 交通事故で足を骨折し入院していました。天気の良いある日、 私が屋上に連れて行ってあげたんですがそこで言われたんです。』
『小山さんは霊能者だと話していました。59歳の女性でご自宅で除霊をしているそうです』
『どんな風に霊が見えるのか尋ねると病院の敷地のいたる所から黒い手が出ていてその手が引っ張っている、あの世に引きずり込もうとしていると言ったのです。』
『 私は下を覗いてみましたが私には見えませんでした。でも病院で飛び降り自殺があった話を聞いて知っていたのでとても恐ろしくなりました』
しばらくして小山さんは 退院したが、その時田中さんに耳打ちした。
『 気の弱くなっている患者さんがいたらその人を屋上に行かせないようにしたほうがいいわよ。特に一人で行ったら引き込まれそうだから...』
『 ここの霊は すごいパワーを持っているから注意しないと、また犠牲者が出る心配があるの...』
田中さんは頷いて、小山さんを見送った。
しかし田中さんはどうして良いか分からなかった。
『 だって気の弱っている患者さんをどうすれば見分けられるのか分かりませんし、屋上に行かせないようにするなんて無理です。そこで先輩たちに話したんですが驚いたり嫌な顔をするだけで真剣に取り合ってもらえませんでした』
だが、この話は病院中に広まり他の看護師たちも心の中では不安を感じていた...
小山さんの言ってたことが現実となる
平成5年11月、事件が起こった。
入院患者の若い女性が屋上の金網を乗り越え飛び降り自殺をした。
病院横の駐車場に落ちた彼女は即死状態だった...
『 この出来事で病院は大騒ぎになりました。小山さんの言っていたことが現実になったからです。』
『 警察の人が来て事情聴取をしました。それで様子が分かりました。自殺をした女の人を他の患者さんが見ていたからです。』
『 午後4時10分頃、 女の人は屋上の金網に寄りかかって下を見ていたそうですが特別変わった様子ではなかったと言います。』
K病院での 飛び降り自殺はこれで6件目だった。
病院では看護師たちの要望もあり小山さんに 頼んで除霊をしてもらった。
それ以来、病院の正面玄関横と駐車場に小山さんに言われたように塩と水それに花が備えられるようになったという。