
『あなたは生き続けたいですか?』
こう問われた時に、多くの人は生き続けたいと答えるのではないでしょうか?
少なくとも僕は生き続けたいと思っていますw
今のところ人間は”死”という運命からは誰しも逃れることはできませんがもし、この運命を変えることができるとしたら...
今回のテーマは『トランスヒューマニズム』
身体にマイクロチップを埋め込んだり、自らの遺体を冷凍保存し未来での復活に期待したり、不老不死の身体を手に入れる、etc...
これら全てがトランスヒューマニズムといえます。
またこの記事を書くにあたって参考にした本があるので最初に紹介したいと思います🤩
『トランスヒューマニズム: 人間強化の欲望から不死の夢まで』
この本の著者:マーク・オコネルが実際に多くのトランスヒューマニストやトランスヒューマニズムの研究者・技術者に取材し、様々な側面からトランスヒューマニズムを紐解いていくという非常に面白い本なのです。
が!!!
1つだけ不満があって、翻訳がかなり雑というか日本語になってない部分が多々あるんですよw
ただでさえ難しい内容なので、理解するのに結構時間がかかっちゃいましたね🥶
しかし、内容は濃くて面白いので興味のある方はぜひ読んでみてください(記事の最後にもリンクを貼っておきます)
それではトランスヒューマニズムについてみていきましょう〆(・∀・@)
冷凍保存で未来に復活をかける人たち!

人体冷凍保存の研究・実行を目的にした『アルコー延命財団』。
(アルコーは世界に4つある冷凍保存施設のうち3つはアメリカ、1つはロシアに存在している。)
ここでは未来に復活をかける人たちが冷凍保存されており”その時を待ち”眠っている。
またここで眠る人たちは遺体ではなく一時停止している患者と見なされています。
(マーク・オコネル(以下マーク)はアルコーの理事でありCEOのマックス・モアという人物に会うためにアルコーの本部にやってきた。)
マックス・モアによると冷凍保存されるには2通りの方法があるようで
1つは20万ドル払った場合『体全体を一時停止させて(冷凍保存)復活できる日を待つ』で8万ドルの場合は『神経プラン患者』となりこちらは『頭部だけをスチールの筒に収めて冷凍保存される』というもので、いつの日か意識を”別の何か”にアップロードするためのプランになるそうです(⊙_⊙')
(遺体ははデュワー瓶と呼ばれる容器に収納されて冷凍保存される)
アルコー(冷凍保存)の費用の支払い方とは!?

以前は依頼人の遺産、あるいは本人が亡くなったあとに家族が分割で支払う方法が取られていたのですが親族が支払えなくなったり、途中で放棄するケースがあったため、現在ではアルコーへ冷凍保存を希望する本人が天寿をまっとうするまでの間、年会費を掛け金にして生命保険で支払うシステムになっています。
またモア自身は神経プランの患者で未来の科学者が解凍した脳に新たな体を与える方法を見つけることに期待しているようです。
世界で初めて冷凍保存された人物『ジェームズ・ベドフォード博士』

アルコー本部の患者看護区画の入り口そばの床には小さく古いデュワー瓶が寝かされていて、この中には1991年に南カリフォルニアから移送され、世界で初めて冷凍保存されたとされるジェームズ・ベドフォード博士が眠っています。
博士の保存処理がされたのは1966年のことで、処理を行ったのはロバート・ネルソンという人物。
モアは博士について『ベドフォードは1893年生まれだから、原理的には世界最年長の人物になった』と語り、これに対してマークが『それは少々こじつけではないか?』と言うと...
モアは『ここにいる患者は法的に死亡とされているが体がまだ腐敗してはいない。本当の死とは細胞や化学的構造物がいかなる技術をもってしても元の状態に戻せないほどに分解し始める時だ。』と反論。
つまり遺体ではなく生きた状態と死んだ状態の中間にあるものという考えですね(⊙_⊙')
ラルフ・マークル博士『すべての人を冷凍保存する方法』

アルコーのウェブサイトにはアルコーが冷凍保存を通じて、現在、生きている全ての人に未来の復活を保証するために『現場で実際にどういうことをしようとしているのか?』を説明している記事があります。
その記事はラルフ・マークル博士によって書かれた『全ての人を冷凍保存する方法』というタイトルで内容は『全ての人々にとって物質的に豊かな世界、今日生きている健康と長寿を手に入れることのできる未来』
またマークル博士は『技術の進歩によって、いずれこの未来は現実になる』と断言しており、さらにマークル博士は『リアリー・ビッグ・デュワー(本当に大きなデュワー瓶)』を唱えています。
博士は世界中で毎年約5,500万人が亡くなっている。そこで半径30mの巨大な球形のデュワー瓶を建造し、頭部のみを収容すると仮定した場合、550万人分を収めることが可能になると。
なのでこのような巨大デュワーを毎年10基建造し予定通りに進めば、『眠りから目覚めることができる時代が到来するまで、世界中で亡くなる人たち全ての頭部を保存できる』とも唱えています(⊙_⊙')
トランスヒューマニスト『ナターシャ・ヴィータ=モア』

マックス・モアの知人でありトランスヒューマニストのナターシャ・ヴィータ=モア(以下ナターシャ)は1981年に子宮外妊娠に陥り、身ごもっていた子供を亡くしてしまい、自身も死の淵に立たされた。
この時にナターシャは『人間の体はか弱く、死というものがすぐ側にあることに気づいた』
『この絶対的な運命である”死”からどうすれば自分を守れるのか?関心を抱くようになりました』と。
このことがきっかけとなり彼女はトランスヒューマニスとになったのです(⊙_⊙')
そして彼女はこのようにも言っています。

そしてナターシャのいう別の体を手に入れるというのは”マインド・アップローディング”という考えに言い換えることができます。
マックス・モアはマインド・アップローディングについてこのように著書にて書いています。
『私の肉体を物理的な体か仮想的な体のどっちでも良いから選んで交換する』と。
つまり心(意識)だけを別の体や仮想的な体にアップロードし延命を図るという考えでサブストレート・インディペンデント(基盤非依存)に意識を収めるという構想に繋がったのです。
レイ・カーツワイルのマインド・アップローディングに関する予測!

AIの世界的権威であるレイ・カーツワイルは著書『シンギュラリティは近い』にこのように書いています(⊙_⊙')

ヒトの脳は大量の並行処理の恩恵を受けているが、この接続の積分時間は現代のエレクトロニクスと比べると極めて低速である』
またカーツワイルはマインド・アップローディングを行うのに必要な技術(十分な処理速度と容量のあるコンピュータや脳スキャン手法)は2030年代初めまでに可能になると予測しているのです。
シンギュラリティによって人間は滅ぶのか!?

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、AIなどの技術が、自ら人間より賢い知能を生み出す事が可能になる時点を指す言葉でこの言葉は1993年にNASA主催の会合で発表された『迫りつつある技術的特異点:ポストヒューマン時代にどう生き残るか』が最初とされています。
ヴィンジはシンギュラリティについてこのように述べています。

そうなるとすぐに人間の時代は終わることになる』


シンギュラリティで外せない人物はやはりレイ・カーツワイルで彼は数々の装置(平台式スキャナー、視覚障害者のための印刷物読み上げ装置など)を考案し世界的なミュージシャンのスティーヴィー・ワンダーと共にカーツウェル・ミュージック・システムズ社を創立。
2005年のベストセラー『シンギュラリティは近い』の前半部分で”シンギュラリティをどう考えるのか?”という問いに対して

と答えており、シンギュラリティは大体2045年頃に到達するとも言っています(⊙_⊙')
(余談ですがカーツワイルはサプリやビタミン剤を毎日贅沢に飲んでいるようで、これは不老不死が可能になる時代まで生きるために行っているそうですw)
生物学的身体バージョン1.0

カーツワイルは『シンギュラリティは近い』でこのようなことも書いています👀

人間の知能は時として創造性や表現力の高みに昇ることができる一方で、人間の思考の大部分は限界の中に閉じ込められている』
このように現在のバージョンでは限界があるとカーツワイルは言っているのです。
しかし、”シンギュラリティに到達し、新しいバージョンの身体を手に入れた場合”はどうなるのか?
それについての回答がこちら✅

『21世紀が終わる頃には、我々の知能の非生物学的部分が、アップデートされてない人間と比べて何兆倍も高性能になるだろう』
つまりシンギュラリティに到達した場合バージョン1.0の人間は滅び、アップデートされた新たな生命体・種の人間が生き残るのかもしれませんね(⊙_⊙')
イーロン・マスク、ピーター・ティール、スティーヴン・ホーキング博士がAIの進化に警鐘を鳴らす!

テスラ・モーターズやスペースX社CEOでエンジニア、投資家のイーロン・マスクはAIについて『我々の生存に関わる最大の脅威』と言い、AIの進化については『悪魔を呼び出す技術手段』と発言。
またイーロン・マスクは2014年に

残念ながらそうなる公算はますます高くなっている』
とツイートをしています。

ピーター・ティールはPayPal (ペイパル)の創業者でトランプ大統領を押し上げ、影のアメリカ大統領と噂された人物。
ピーター・ティールは

と発言。

”車椅子の天才物理学者”スティーブン・ホーキング博士は生前にこのような警鐘を鳴らしています。

しかし、リスクを回避する術を学ばなければ、最後の出来事になるだろう。』
シンギュラリティを迎えたとき、人間はAIによって滅ぼされるリスクが非常に高く、そのためにも人間のバージョンをアップデートしAIと対峙するための頭脳を手に入れる必要があるのかもしれませんね(⊙_⊙')
スティーヴン・オモアンドロの論文『AIシステムの危険』

AI研究者のスティーヴン・オモアンドロは2008年に『目標指向型AIシステムの危険』についての論文を発表し、論文は『基本的AI衝動』と題された。
内容は『AIが訓練を受けた内容がどんなに些細なものであっても、リスクを回避するための複雑なセキュリティ・システムの構築が必要。これを怠れば非常に深刻なセキュリティ・リスクをもたらす』と説かれています(⊙_⊙')
チェスを指すAI搭載のロボットを作る場合のリスクを例にすると『チェスを指すロボットが暴走した場合、電源を切ればロボットは停止すると人間は考える』
『しかしロボットは自分のコピーを作ったり、さらには電源を切られないように抵抗するようになる』このようなリスクがあるのです🥶
人口知能開発者にとっての難題は『スイッチを切られることを気にせず、人間が理想とする任務を遂行し続けるように設計』することでこれはアイザック・アシモフの有名なロボット三原則の第一条に当てはまります。

ロボット三原則の第一条では

不作為によって人間が傷つけられる状況を許容してはならない』
しかしながら、AI搭載のロボットは進化するにつれ独自の判断でプログラムされていない行動に出る可能性があるとスティーヴン・オモアンドロは危惧しているのです。
DARPAロボテックス・チャレンジ!

トランスヒューマニズム著者マーク・オコネルはロボットへの興味はあったものの、実際は本物のロボットを見たことがなかった。
そんな矢先、マークは『DARPAロボテックス・チャレンジ』という催しを耳にすることに👀
これは世界の最先端にいるロボット工学者が集まり、それぞれが製作したロボットを人間環境での性能をテストする際、極度の危険やストレスのある状況下で技能を競わせるというものでした(⊙_⊙')
さらにこの大会で優勝すれば制作者は主催者DARPAから100万ドルの賞金が与えられることになっていたのです。
DARPAは国防高度研究計画局のことで主に軍事技術開発を行う機関で1958年のソ連のスプートニク衛星打ち上げに応じるため、アイゼンハワー大統領により設立され、以来、世界を変える技術を生み出しています。(DARPAでは昆虫を操りスパイとして活用する研究なども行われていたりしますw)
またDARPAの戦略計画には『アメリカ合衆国に対する技術的奇襲を防ぐと同時に敵に対する技術的奇襲を生み出す』ことが目的として明示されています。
さらにDARPAは脳とコンピュータ接続、認知増強、皮下モデム、生物工学細菌の分野に多額の資金援助を行っており、目標の1つとして『人体の限界(米兵士の身体的限界突破)』を掲げているようです。
DARPAロボテックス・チャレンジのきっかけとは!?

DARPAロボテックス・チャレンジの目標について大会の運営にあたるジル・プラットは『崩れて危険な人口的環境での複雑な課題をこなす能力のある、地震被害対策ロボット開発の促進』と話した。
この発想のきっかけとなったのは2011年に日本で起きた福島の原子力発電所の事故で、『人体を前提に設計された環境に適応できるロボットがあれば被害が軽減されたのではないか?』と考えたからだそうです👀
大会当日の朝の説明会でブラッドリーという広報官が災害での人道的救出は『米軍の中心的任務の1つ』であり、”人間型ロボットはこれからますます重要になる”と述べています。
モラヴェックのパラドックス!

マークはこの大会でロボットが転倒しエンジニア・チームによって運ばれていくロボットを数多く目撃したそうです(⊙_⊙')
これは2018年以前でのロボットの話ですが、例えば高い所から飛び降りたり、大量のデータを処理したりを行う場合は非常に高いレベルで行えるのですが、歩く・物を拾う・ドアを開いたりは上手くこなせないことが多かったそうです。
これはモラヴェックのパラドックスと呼ばれていて、ロボット工学教授ハンス・モラヴェックの『コンピュータに知能テストやチェッカーの勝負で大人レベルの成績を上げさせるのは比較的易しいが、視覚や運動となると、一歳児程度の能力を与えるのが難しい・不可能だったりする』というものです。
なのでドラえもんを作るのが今のところ難しい理由もこのことが挙げられると思います👀
元ウーバーCEOトラヴィス・カラニック『車の運転手は必要ない』

タクシー業界に重大な損害を与えている!?配車サービスのウーバーは『必要な技術が使えるようになれば直ちに運転手を自動運転車に置き換える』という計画を語っています(⊙_⊙')
マークが元ウーバーのCEOトラヴィス・カラニックに会った時にこのように話したそうです。

車に他の奴がいなくなれば、ウーバーを使うコストは車を所有するより安くなるでしょう』
ドライバーの方が見たらブチ切れそうな内容ですが、実はテスラ・モーターズもAppleも自動運転可能な車を現在開発中でドライバーという仕事は将来的にかなり厳しくなるのが予想されます。
テクノロジーによって利用者側は恩恵を得られますが、職業としてドライバーをやっている方には大打撃の未来が待っているのかもしれません...
ニコラ・テスラの確信『ロボット種族の発展』

1898年、発明家ニコラ・テスラはニューヨークのマディソン・スクウェア・ガーデンでの電気博覧会で新しい装置を展示。
これは鉄製の船のミニチュアでテスラはこれを大きな水槽に入れていたが、電波を受け取るマストを装備していたこの船は舞台の反対側からの無線操縦で指示し動かすことができた。
これに人々は大興奮し、テスラと自動船は全国紙の一面を飾ったのでした🤩
が!!!
この技術は海鮮技術で大いなる前進と捉えられたのです。
しかしテスラ本人はナショナリズムと軍国主義勢力には反対していました。
ある学生が『この船の船首にダイナマイトや魚雷を積んで遠隔操作で爆発させれば敵国に大打撃を与えられる』と言ったときテスラは即座に

と言ったのです(⊙_⊙')
テスラのオートマトン(自動機械)構想!

テスラは1900年6月に、人型ロボットについて書いており、その中で『自分が機械的器具』のような感覚になると述べています👀

それは私の感覚器に与えられた外部の刺激に反応し、それに応じて考えたり動いたりしているだけだということである。』
『こうした経験からすれば、機械的に私の代わりをするような自動機械、私よりずっと原子的な形ではあれ、
私のように外部からの影響に反応する自動機械を構築するというアイデアを考えたのもごく当然のことだった』
テスラは自分自身が自動機械のようなものと考え、だったら機械に知能を与えれば自分と同じように自身で考え行動のできる機械を作れると考えたのです🤩
また未発表の発言では『最終的に生産されるテレオートマトンは独自の知能を有しているかのように振る舞うことができ、その登場は革命を起こすだろう』と。
テスラは100年以上前に今の最先端テクノロジーが目指す構想を持っていたと言えるでしょう✍️